井本整体には「万能の自己療法」と呼びたいほど、幅広い症状やリハビリにも有効な「蒸しタオル法」という方法があります。
私自身はこの蒸しタオル法と人体力学体操、風邪の活かし方を利用して何十年間も医療費ゼロで済ませておりますし、同じような仲間も沢山おります。
今回はそのやり方を解説したいのですが、その前にお伝えしなくてはならないのは、「治癒は排泄を伴う」という事実です。掃除をすればゴミが出て、機械でも修理すれば廃棄パーツが出るのと同じことです。
あなたの体は、いつでも最後までもあなたの味方。
しかし多くの人は、自然治癒力が引き起こす痛みやセキなどの排泄を「症状」と呼び、体の反乱のように感じて、これらの排泄反応を止めてしまいます。しかし、そうすると治癒反応も止まってしまうのです。
そして排泄されるはずだった老廃物は形を変え、もっと大きな「症状」としていつか帰ってきます。それをも抑えていくと、体はだんだんと治ることをあきらめて反応を起こしにくく、鈍感になってきます。
その代わりに、体は古い老廃物、毒素を集めて塊(カタマリ)を作ってきます。体力が低下すると、その塊は転移してゆきます。
せっかく効果的な自己療法をお伝えしても、それで起きた排泄を「症状が出た!」と止めてしまっては意味がありませんので、まずは「症状の意味」をお伝えしてから蒸しタオル法の具体的なやり方をお伝えして参ります。
「症状」のほとんどは老廃物の排泄反応ですが、多くの方がこれを「病気」とみなし、止める事を考えます。しかしよく考えると、老廃物の排泄をしない体こそが「病気の体」と言えます。整体ではこれを「無病病」と呼びます。
例えばケガをしても痛みを感じないのが異常であり、腐った物を食べても下痢をしないのが異常です。
風邪ひとつ引かない丈夫な人が、しばしば急な大病で亡くなるのもこのためです。整体ではこれを「小さな病気を止めれば大病になる」と言います。病気、つまり排泄は小まめに行う事が健康につながります。
ですから、もし蒸しタオル法や整体操法の結果、何か好転反応が起きても、慌てて止めないでください。以下に、症状とその意味を列挙していきます。これを読んだ後でも不安が残るようでしたら、井本整体指導者にご相談下さい。
体の一部が打撲や疲労で硬直してくると、流れが悪くなって冷えてきます。部分的に死に近づいている状態ですので、体はこれを修復するためにプロスタグランジンなどの炎症物質を出して血管を拡張し、熱と流れを回復させようとします。
整体では「痛みと熱を使って力を集める」と表現しています。ですので、基本的には冷やしたり痛みを止めたりすると体の中に硬直を作る事になり、それが老廃物の停滞を生み、「古傷」となります。
頭部打撲や内出血は例外ですが、蒸しタオル法で温め、血行を促進する事で痛みが消えていきます。意外に思われるかも知れませんが、「痛み」そのものが必要なくなるからです。
赤ちゃんは温かく、死人は冷たいように、「熱は生きる力」です。
体が硬直したり、冷えたり、循環が悪くなってくると、つまり死に近づいてくると、まだ生きる力がある方はリフレッシュして温かさを取り戻すために発熱します(その前に、体は発熱する準備として寒気を感じて熱への要求を高めます)。
ですから基本的には熱は止めずに、出し切ります。上手く熱を出しきれると、体は柔らかさ、温かさ、循環を取り戻します。熱がなかなか出ない時や、熱が上がりきらずグズグズ長引く時は、後頭部にある体温調節中枢を刺激するために、蒸しタオル法を行います。
寒気がいつまでも続く時も、うまく発熱できていないので行ないます。
肋骨が硬直している時に、それを揺さぶってゆるめる自発的な運動です。
肋骨が硬直していると、その中にある臓器(心、肺、胃、肝など)の動きが阻害され、働きが低下します。また、肋骨と肋骨のすきまにはたくさんのリンパ節がありますので、肋間筋の硬直はリンパの流れを阻害します。
どんどん出して、肋間筋がゆるめば自然に収まりますが、体操で肋骨をゆるめたり、苦しいところに蒸しタオル法を行えば、よりスムーズに経過します。
ポタポタ落ちるような鼻水は、乾燥していた肺にうるおいを与えるものです。息を吸う時に湿気が肺に送られるからです。なので、蒸しタオルを顔に乗せて湯気を吸っていても鼻水が止まります。
また、鼻水をしっかり出していると、肺がほんのりと温かくなってきます。
胃腸が疲れていて休みたい時、匂いがわからなくなって食欲が落ちるように鼻づまりになります。それなのに薬で鼻を通してさらに食べ続けると、消化器が過労で壊れていきますので、素直に食事を抜くか、減らしていると鼻が通ってきます。
それでも治らない時は、食べ過ぎ飲みすぎ以外の原因(ストレスなど)が考えられます。
体は、流れの悪い所にかゆみを出して、掻かせることで循環を取り戻そうとします。また、下痢などで下から捨てられなかった毒素も皮膚から排泄されます。これをさらに止めてしまうと、体の中に塊を作ってきます。
整体では「かゆければ掻く」が鉄則で、かいて血や膿でも出れば毒素がどんどん排泄されるので「なお良し」とされます。血膿も出し切ればまたキレイな肌に戻りますが、怖い方は患部に蒸しタオル法を行います。
また、中毒が進行していると掻いても掻いても手が届かない「体の中」が痒くなりますが、これにも蒸しタオル法が有効です。
「かゆみ」で書いたように皮膚からの排泄ですが、掻くと痛い方は患部に蒸しタオル法を行います。
一般的にはステロイド等で「止める」事をしますが、だんだん抑えが効かなくなり、ステロイドを限界まで増やしても止められなくなってから、初めて「排泄」に賭けてみる方が多いようです。
それまで溜め込んだ毒素を排泄するのに苦しみながらも、あきらめなければ数年かけて徐々に回復していきます。それでもステロイドでDNAが変わってしまうと完治は難しいので、できれば初めから蒸しタオルで出してしまった方がよろしいでしょう。
通常は、蒸しタオル法を行うとただちに痒みが軽減します。
腐ったものや毒物を食べた時、子どもなど敏感な人はすぐ嘔吐して排泄します。それが間に合わなければ下痢で排泄します。鈍い人はなんの排泄も起こさず毒素を溜め込みます。
悪いものはどんどん出せれば良いのですが、「痢症活点」という肝臓の急所に蒸しタオル法を行うと、ラクに素早く排泄が終わります。
妊婦さんの「つわり」は、胃が悪い方がなりやすいのですが、これも毒素の排泄と、嘔吐運動による骨盤の自発的調整とみなします。
ストレスで胃が硬直している人も、よく胃袋がカラでも吐き気がする「空嘔吐」をして運動を行い、胃を弛めようとします。胸椎5番という三半規管や汗の急所が硬直している人も、隣り合う胸椎6番、胃袋の急所に影響して吐き気を催すことがあります(車酔いなど)。
整体では上記のような症状は排泄なので止めてはいけない、「出るものは全て善し」と言います。
よく心理学では「インナーチャイルド」と言いますが、あなたの体は「内なる子供」のように、純粋無垢にあなた(自意識、顕在意識)のために働いてくれています。
子供を抑圧する親のように、症状を止めて黙らせることばかりするのではなく、体の声に耳をすませて頂きたいと思います。
そうすれば子供が安心して何でも話してくれるように、排泄反応をため込まずに出してくれる、敏感で健康的な体になってきます。
そのための、体の感受性を取り戻す方法が「蒸しタオル法」であったり、人体力学体操であったりするのです。
ただし、子供でも良かれと思って時々すごい事をしますので、排泄がいつまでも終わらず、だんだん消耗してきたような場合は、お近くの井本整体指導者にご相談いただきたいですし、急性の場合には必ず医師にご相談ください。
次の記事では、いよいよ井本整体の「蒸しタオル法」の具体的なやり方についてご説明いたします。
(続く)