2019年11月13日
最近、すごいニュース記事を目にしましたので、それに関連して風邪の対処法について書いておきます。
整体では、約60年前から風邪の「効用」を訴えています。整体法の創始者はそれらについて1960年代に講義を行い、それらをまとめた本が「風邪の効用」と題して1986年に出版されました。私の師匠、井本邦昭も1995年に「風邪をひけ!熱を出せ!」を出版しております。
風邪は「病気」であり仕事も休まないといけないし、症状もつらいのに、何を言っているのかと思われることでしょう。
ところが、整体では、風邪とは最高のリフレッシュであり、健康でバランスの取れた体にリセットするための、自発的な一連の反応であると捉えているのです。
具体的には、子どもであれば語彙が増える(知恵熱)、背が伸びる、体がひきしまる等。大人であれば肌がピチピチになる、顔色がよくなる、体が柔らかくなる、平熱が上がるなどなど。
それどころか、風邪やインフルエンザによる発熱の後でガンが消滅した、難病が治ったなどの事例まで(少数ではありますが)観察されているのです。
ニセ科学の話のようですが、最近出た科学記事『風邪との闘病はガンへの抵抗力を高めうる』“Bouts of fever may make us more resilient to cancer”にも、
「何十年にもわたり、数々の研究が発熱の既往歴と癌リスク低下の関連性を示唆してきた」
「科学者たちは感染による発熱は、Vg9Vd2 T細胞を血中の白血球の60%まで顕著に増加させ、ガンマデルタT細胞を増やし、腫瘍に対する、生涯にわたる免疫抵抗力を高めるカギとなることを発見した」
と書かれているのです。
ご存知のように、いわゆる「難病」の多くは免疫機能の異常に起因すると見られています。
感染による発熱は、免疫機能の重要な働きなので、あなたが解熱剤を飲んだ時、免疫システムはその働きを邪魔されます。整体では、伝統医療の視点から、これが免疫の異常を引き起こす大きな原因と見ています。
ですから、もしあなたが免疫機能を正常に戻したい、または強化したいのであれば、今度風邪をひいた時は、できるだけ邪魔をせずしっかりと経過させてみる事をお勧めします。
具体的な方法は以下になります。
風邪薬は風邪の「諸症状を抑える」ものですが、これらの多くは正常な免疫反応や、排泄反応の結果です。それらを抑えるという事は免疫力や、毒素の排出をおさえるという事でもあります。排泄されずに溜まった毒素は、体内に溜まって、後年になって別の病気の原因となりえます。
固形物を食べない理由は、食べると「吸収」の働きが起きて、毒素の「排泄」の邪魔をするからです。
また、吸収の前に「消化」がありますが、あまり食べ過ぎると動けなくなるように、消化にエネルギーを使う事で新陳代謝に使うエネルギーが奪われます。ですから、風邪による発熱で活発になるはずの新陳代謝にブレーキをかける事になるのです。その結果、熱がくすぶって風邪が長引いたり、咳がいつまでも残りがちになります。
固形物を避け、栄養の質も量も落とすことで、つまり胃をなるべくカラにする事で、風邪の経過は劇的に早くなり、症状も軽くすみます。
水分はスポーツドリンクやコンソメスープ、お茶などを体の要求にしたがって取ります。
(世界には、風邪の時はウォッカ等のアルコールを摂って発汗を誘導する地域も多いのですが、肝臓が硬直するため、整体では飲酒は避けるようにと言っています。)
これも常識とは逆ですが、発熱している状態というのは「実(スイッチON)」の状態ですので、ポイント1を守っていれば意外と普通に動けるものです。そして、動くことで更に新陳代謝が活発になります。
アスリートが高熱を出したまま試合に出て、意外な好成績を残した話を聞いた事があるのではないでしょうか。
ただし「出来るだけ」ですので、無理はしないで下さい。
発熱が自然に始まっていれば、この必要はありません。ただ熱が出ない、微熱が長引いて経過が悪い、熱が上がったり下がったりする、などの時には後頭部(ぼんのくぼ)に熱い蒸しタオルを当てると、脳の発熱中枢が刺激され、正常な発熱が誘導されます。
5分ほどでタオルがぬるくなりますので、また熱くして合計3〜5回ほど繰り返します。その温度の波が、最も効果的な刺激となります。
昔の日本家屋は外風呂が多く、湯上がりに屋外の風で体を冷やしてしまうため「風邪の時には風呂に入るな」と言われていましたが、内風呂が標準となった現代であれば、入浴して気持ち良い程度に体を温めて汗をかくのは、風邪の経過をとても楽にします。
もっとも、だるくて入りたくない時に入る必要はありません。体の要求に従いましょう。
熱が出ている時とは逆に、熱が下がった時、体は疲れ切った「虚(スイッチOFF)」の状態になっています。「低体温期」と言いますが、この時は体温を測ると平熱よりわずかに低くなっています。
この期間に栄養を「取り戻す」かのように食べてしまうと、肝臓が腫れてなかなか元に戻りません。また、この期間に強い刺激を入れたり、体を冷やすと風邪がぶりかえして、今度は長引く事になりがちです。
これらのポイントを守れば、風邪の経過は劇的に早くなるでしょう。整体では、2日も風邪を引いていると「長すぎる」と言われます。
子供のように、パーッと高い熱を出して、それでも意外と元気に遊んでいたり、食べるのを嫌がって、急に寝て、翌日にはケロッとしている、というような風邪の引き方が最高なのです。
うまく風邪を経過させられると、発熱と排泄によって新陳代謝が活発になりますので、顔色がよくなったり、肌が綺麗になったり、体が引き締まったり、長年の不調や、痛みなどが消えている事に気がつくかも知れません。
整体で言われる事は、世間の常識とは真逆の場合も多いのですが、長いあいだ経験的に確かめられてきた方法です。そして先述の話のように、後になってから西洋医学に裏付けられてきた部分も多々あるのです。
私がこの記事を書いてから6年以上経ちましたので、AIに新しい情報を確認してもらったところ、ガンマデルタT細胞の研究はかなり進んでおり、
① 血液腫瘍:到達性と認識のしやすさから最も有望。
② 固形がん:一部で可能性はあるが、効果は条件依存。
③ 有効条件:腫瘍浸潤・低抑制環境・適切なサブタイプが鍵。
④ 開発方向:単独ではなく併用療法が主流。
⑤ 実務評価:血液がん◎、固形がんは限定的。
⑥ 本質:直接攻撃より免疫全体を活性化する役割。
という理解になっているそうです。もちろん、整体は経験ベースなので「エビデンスはありません」。西洋医学=標準医療をおろそかにして発熱に賭ける、というような事はお止めください。
あくまでも医師の指導を最優先にした上で、100年の積み重ねがある民間療法ではこういう見方をしている、という参考になさってください。